ゴンポリズム

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読むこと-観ること-考えること

2018-01-01から1年間の記事一覧

書評:多和田葉子『献灯使』

今年の全米図書賞(翻訳文学賞)を受賞した話題作『献灯使』を手に入れた。手に入れた、というのはYahoo!ニュースで受賞が報道された翌日、都内丸善・ジュンク堂系列の書店で本書がほぼ売り切れになり、すんでのところで丸善某店にて取り置きできたからだ。…

考察:セカイ系としての『STEINS;GATE』(シュタインズ・ゲート)

アニメ『STEINS;GATE』(シュタインズ・ゲート)の感想・考察を書きたい。元々この作品は2009年に発売されたXbox360版ゲームソフトが原作らしく、2011年にアニメ化された。当時、同時期の『魔法少女まどか☆マギカ』とともにスマッシュヒットとなった有名なア…

書評:東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』

先日、オウム真理教幹部の死刑が執行された。あの出来事で僕が感じたのは、死刑がリアルタイムで進んでいく異常なまでのショー的演出だけでなく、複雑な喪失感だった。というのも、1990年前後に生まれた人々にとってオウム真理教という事件は独特のニュアン…

ある友人の死について

今日、僕が書くのはとても個人的な内容、ある友人の死に関する話だ。 大学を卒業してこの春で2年が経ち、学生時代の記憶も次第にぼんやりしてきた。最近、高校・大学時代をふと思い出すことがあって、ようやくあの頃を冷静に振り返ることができるようになっ…