ゴンポリズム

ゴンポリズム

読むこと-観ること-考えること

考察:カーヴァー「足もとに流れる深い川」

久しぶりにレイモンド・カーヴァーを読む。村上春樹訳『レイモンド・カーヴァー傑作選』はどれもなかなか面白いのだが、訳者自身が「一発で見事レイモンド・カーヴァーの世界の中毒に引きずり込まれることになった」という「足もとに流れる深い川(So Much W…

書評:フォークナー『八月の光』

ウィリアム・フォークナーと言えば、アメリカのみならず20世紀を代表する世界的作家と言われている。フォークナーを読んだことのない英文科の卒業生はいないだろうが、それでも、この作家を愛読する日本人はどれだけいるだろうか。 フォークナーとの出会いは…

書評:フォークナー「あの夕陽」

今回は「あの夕陽」という短編の感想を書きたい。フォークナーの短編のなかでも最も有名な作品の一つだが、長編と比べると感想を書いている日本の読者は少ないようだ(今後もそのような作品をなるべく取り上げようと思う)。前衛的な作品が多い長編と比べる…

書評:フォークナー「納屋は燃える」

10月19日、岩波文庫からウィリアム・フォークナー『八月の光』の新訳が出るとのことだ。これまで、この作品の邦訳は新潮文庫の加島祥造訳であった。訳もそれほど悪くはなかったし、何より一冊になっていたのは読みやすく嬉しかった(岩波の新訳は上・下二冊…