ゴンポリズムと愛読書
当ブログ、ゴンポリズムはごんぽりが本の感想や解釈を中心に書いていくブログです。
ごんぽりは小さい頃から読書感想文というものが苦手で、いつかすらすら書けるようになりたい、と思っていました。高校時代に読書に目覚め、大学時代は引きこもって本を読む毎日でした。
そんななか、そろそろインプットだけでなくアウトプットもしよう、憧れを現実にしてみようと思い、立ち上げてみました。主に書評、最初は短編を中心に書く予定ですが、アニメやドラマ、映画の感想も書けたらと思っています。
本の紹介というよりは、皆さんが読書後に、自身とは違った感想・解釈を求めて検索・発見することを想定しています。
せっかくなので、初めにごんぽりの愛読書を紹介しておきます。これらの本についても、後々取り上げるつもりです。
⚫︎フォークナー『八月の光』
1930年代のアメリカ南部における黒人差別を描いた小説。ただし、この物語の射程は人種問題だけでは決してない。社会と個人、過去と現在、男と女。様々なテーマをこれほどまでに重層かつ端整に描き切ったのは見事という他ない。大学時代、これを読んで私はアメリカ黒人史を志した。
彼の小説はどのように読めば良いのだろうか。憧れ?それとも反面教師?しばしば女性差別的だと言われながらも、彼の小説は、読者の心に潜む一番柔らかい部分をえぐり出す。
⚫︎ピート・ダニエル『失われた革命 1950年代のアメリカ南部』
50年代アメリカの南部社会を描いた数少ない邦書。一人ひとりの生と葛藤の記録が活き活きと、時として生々しく描かれている。正義/不正義で語るのは容易いが、そんなものを超えた南部市民の生き様は、そこらの小説よりもよっぽど響く。読者として、時代も地域も違う歴史書をどう読み解くか、私たちはそこから何を学ぶべきか、そんなことをつい考えてしまう隠れた名著。
⚫︎ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』
言わずと知れたナショナリズム論の古典。アイデアの奇抜さ、説得力、学問的貢献度、どれをとっても、教養として一度は読みたい一冊。とりわけ、嫌韓とか美しい国日本とかをまともに信じている日本人は、これを読めば自身の偏屈な価値観が崩れ去ることだろう。
定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)
- 作者: ベネディクト・アンダーソン,白石隆白石さや
- 出版社/メーカー: 書籍工房早山
- 発売日: 2007/07/31
- メディア: 単行本
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